マリカ・マイヤラを訪ねて夏のHarakka島へ

 

テキスタイルデザイナーとしての活動だけでなく、フィンランドを代表する絵本作家としても知られるマリカ(Marika Maijala)が久しぶりに個展を開催するということで、数年ぶりに夏のHarakka島へ遊びに行って来ました。 ※「マリカ・マイヤラと冬のHarakka島へ」過去の記事はこちら

 

 

 

Harakka島はヘルシンキの南東部に位置する離小島で、夏の間は定期的に本土との間を往復する小型船を利用して誰でも気軽に訪れることができます。乗船場のすぐ目の前から見えるHarakka島までは乗船時間が約5分弱。この日はマリカの展示の最終日だったこともあり、同じ船の中にはマリカと仲良しなイラストレーターの姿や家族連れで展示を目指す人々の姿が多く見受けられました。

 

 

 

 

 

展示会場の扉を開けるとすぐにマリカ独特の優しいタッチで描かれた多数の作品が来場者を歓迎してくれます。過去にフィンランドで出版された絵本の原画をはじめ、彼女が得意とする動物の絵や大切な友だちを描いたポートレートなど、クレヨンを使ったカラフルな作品もあれば、水墨画のようなモノトーンの作品まで、これまで以上に多様な作風の作品が所狭しと展示されていました。

 

 

 

多数ある作品の中で特に来場者の目を引いたのが、植物をモチーフにジャカード織でつくられた等身大のカーペットの存在です。カーペットの表面をよく観察すると、それぞれ微妙に異なる色のグラデーションで染色された無数の糸が緻密に紡ぎ合わされていることに驚きます。まるで時間の壁をタイムスリップしたかのように、遥か昔からフィンランドで培われてきたものづくりの伝統や美的価値観をそのまま現代に甦らせたような美しい作品でした。

 

 

展示会場の中央には大きな木箱が置かれていて、その中にはこの展示に向けてマリカが使用した画材や備品が雑然と収納されています。そして面白いことにその木箱を眺める私たちの耳にはかすかに聞こえるくらいの音量で、マリカが黙々と制作活動に勤しむ際の「カツカツッ、カツカツッ」といった作業音が聴こえる仕組みになっていて面白かったです。

 

 

マリカ(写真:右)にとってこの一年は、コロナ禍の中で1人孤独に制作と向き合う日々が続いた一年だったそうです。世界的パンデミックはまだまだ終息を迎えていませんが、その話を聞いて何よりも今回マリカが無事展示を開催できたこと、またそのことによって多くの人がマリカの作品を祝福すべくHarakka島へ集まり、彼女の貴重な作品を楽しむ機会を共有できたことがとても嬉しく感じました。

 

 

Harakka島は野生動物の特別保護地区としても有名です。ちょうど産卵期にあたる6月のこの時期は海を越えてフィンランドへやってくる渡り鳥の姿で島中が賑わいます。長くて厳しい北欧の冬がようやく終わり、短いけれど天国のような季節がはじまる夏のフィンランドでは多くの人々が再び幸せを実感できる季節が近づいています。

 

 

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Marika Maijala(マリカ・マイヤラ)作品一覧

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おふろ café utatane

 

サウナをきっかけに北欧の文化や情報を発信している“おふろ café utatane”のルームウェア(館内着)のリニューアルに伴い、北欧の魅力をさらに肌で感じていただこうと、館内に設けられた2部屋だけの特別なコンセプトルームのデザインをKAUNISTE FINLANDが手がけました。

 

このお部屋のコンセプトに選ばれたのが、フィンランド語でほんの一瞬、または誰かにちょっとだけ待っていてほしい時に使う「HETKINEN(ヘッキネン)」という言葉。国連が発表する世界幸福度ランキングで常に上位に位置し、教育水準が高く、自然豊かな国フィンランドでは、多忙な毎日の中にあってもしばし歩みを止め、大切な家族や友人たちと一緒に過ごすちょっとした時間を持つことが大切に考えられていることからこの言葉をキーワードに選びました。

 

この特別な機会を通じて北欧の優れたデザイン文化が育んだ色鮮やかなテキスタイルパターンや、美しい自然の情景、そして味覚や嗅覚を含めて、北欧のゆったりとした時間の流れを感じていただけたらと思います。

 

 

ルームウェアのデザインには、フィンランド人イラストレーター Hanna Konola(ハンナ・コノラ)がデザインした「LINTUSET」を採用しました。空を飛び交う小鳥の様子を描いた作品で、どこを切り取っても同じ方向へ群れをなして飛んでいく鳥たちの姿は美しく可憐です。 ヘルシンキ市内を訪れたことのある観光客の皆さんにとっては、アイコンのひとつにもなっているカモメを彷彿させるデザインかもしれません。

 

何度も細かい調整を重ね、やさしい色合いが美しく着心地の良いルームウェアが完成しました。写真のパジャマスタイルの他にポンチョもあり、ブルーの他にピンクとブラウンの全3色をご用意しています。ルームウェアは宿泊されるお客様以外にも、施設を利用されるすべてのお客様へ館内着としてお貸し出ししています。(モデル:清水みさと

 

 

 

館内に2部屋だけつくられたコンセプトルームは、KAUNISTEのファブリックでお部屋のインテリアをコーディネートした上で、北欧の魅力を感じられるさまざまなアイテムが室内にセレクトされています。人気の高いリネンスプレーや、オリジナルブレンドのグリーンティーもお部屋で実際にお試し頂けるのも嬉しい特典です。味覚や嗅覚を含めてすっかり北欧に行った気分を味わっていただけます。

 

 

各部屋にご用意しているルームマガジン「HETKINEN」では、ベルリン在住のイラストレーター Riikka Laakso(リィッカ・ラークソ)が描いたかわいらしいイラストを表紙に、まだまだ紹介しきれないお部屋のこだわりを特集しています。もちろんご宿泊いただいたお客様にはこちらの冊子をお持ち帰りいただけます。

 

KAUNISTEオリジナルデザインのルームウェア、そしてコンセプトルームの中で実際にご利用いただくことのできる暮らしのアイテムをお使いいただくことで、北欧の新たな魅力をさらに多くのみなさまにお届けできれば嬉しいです。是非この機会にご家族・ご友人をお誘いの上、おふろ cafe utataneでの素敵な時間をお楽しみください。

 

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おふろ cafe utatane

埼玉県さいたま市北区大成町4丁目179-3

048-856-9899

 

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写真家 かくたみほ "12 pictures"カレンダー【4〜6月】

 

写真家 かくたみほさんのアーカイブ写真をまとめたカレンダー”12 pictures”。10年以上もフィンランドを取材されているかくたみほさんの写真を通して、季節の移りかわりをご紹介していきます。長い冬が終わり、暖かな日ざしが朗らかに輝く様子が込められた春の風景。撮影時のエピソードを綴ったかくたみほさんの文章と合わせてお楽しみください。

 

 

【 4月 / April 】


「ヘルシンキから日帰りでエストニアへ。港に着くと旧市街までの道のりは閑散としていた印象がある10年ぐらい前の写真。旅するのは非日常なのに、更に船に乗るという非日常が重なると何気ない景色が特別になった。」

 バルト海を挟んでとなりに位置するエストニアは、古い歴史を感じる街並みが旅行客に人気の国ですが、フィンランド人にとっては旅先ではなく、身近な街という感覚。物価が安く、ヘルシンキから船で2時間ということもあり、週末になると食料品の買い出しにでかける家族も多いようです。

 


 【 5月 / May 】


 「ナーンタリのムーミンワールドに行く道中。日本ではあまり見かけない大きいプードルを見つけた。まずは見つけたそのままの距離から撮って、じりじり近寄っていき撮影できた1枚。犬の手入れに必死でおばちゃんとは目が合わなかったけど犬とのアイコンタクトには成功。」

 きれいにヘアカットをされているプードルが可愛らしく、とても印象に残る一枚。フィンランドの5月は最高気温15度前後と、日本に比べると少し肌寒い気候ですが、太陽がでている時間が日に日に長くなり、春の陽気を楽しむため出歩く人が増えてきます。写真の柔らかな色合いが、まさに5月の季節を映し出しているようで、のんびりとした気持ちにさせてくれます。
 

 

【 6月 / June 】


 「11年前、初めての国定公園では、トナカイの好物という薄いミントグリーンの苔に感動した。晴れている日、苔はカサカサしていて、踏むとホロっと崩れるのだ。フィンランドの森は手入れされているため風通しが良くて明るい。怖くないから知らない森もどんどん歩いていける。」

 

フィンランドは陸地の大半が森で覆われています。自然を保護するだけではなく、人々がリラックスしたり自然を楽しむ場所として管理されている国定公園も多く、ピクニックにいくことも日常です。フカフカの苔の上を歩くエピソードは、想像するだけで自然の森の中へと出かけたくなります。
 

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12 pictures カレンダー 1,980円(税込)

 

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写真家 かくたみほ "12 pictures"カレンダー【1〜3月】

 

写真家 かくたみほさんが、北欧フィンランドを訪れ撮影したアーカイブ写真をまとめたカレンダー”12 pictures”は、フィンランドでしか味わえない空気や光、匂いまでも感じられる作品。

約3000点にもおよぶ作品の中から選ばれたカレンダーの写真を通して、フィンランドの季節をご紹介していきます。撮影時のエピソードを綴ったかくたみほさんの文章と合わせてお楽しみください。

 

 

【 1月 / January 】

 

「ヘルシンキにてイワシ祭りに出会いました。港近くのテントの中にはDJが7インチレコードをかけて、ふらっと中に入って踊る人たち。踊ることって遙か昔からの人間の楽しみのような気がするので、こういう光景を目にすると嬉しくなる。」

 

ヘルシンキは氷点下を下回るとても寒い冬を迎えます。ほとんど日が昇らない日もあり、家でゆっくり過ごすことが多い中、お祭りをそれぞれに楽しむ人々の高揚感だけでなく、かくたさんの温かい気持ちも伝わってきます。

 

 

【 2月 / February 】


「ラップランド地方へオーロラを見に行った時、マイナス25℃と昼間もキンキンに冷えていて、樹が凍っていた。寒いので樹齢100年でも直径20cmぐらいにしか育たないので、密度が高く丈夫な材木になる。立枯れるとシルバーパインと呼ばれるんだと教わった。」

 

フィンランドの北に位置し、サンタクロースの故郷と呼ばれるロヴァニエミやレヴィなどの街があるラップランド地方。深い雪で覆われた凍った大地が広がる景色の中、あえて視線を上に向け凍った木々たちを大胆な構成で切り取っています。

 

 

【 3月 / March 】

 

「夜の夕焼け。ホテルのルーフトップバーはとても開放的で空の色が刻々と移りゆく。ヘルシンキは空が広いので田舎育ちの私は安心する。毎日、空のグラデーションは違うからそれを見るのが大好きで、登れるところがあれば登り、登れなければ水辺など見通しの良いところに行っていた。」

 

雪がまだちらつくヘルシンキの空は、雪雲のどんよりした天気の合間にきれいに晴れた青空も覗くようになります。陰影がついた引き締まった中に沈む夕陽の反射がきれいな一枚です。

 

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ハンネレ・アイヤラのサマーハウス

JUGEMテーマ:北欧 フィンランド

 

7月になると、ほとんどのフィンランド人は田舎への旅行を計画します。フィンランドの夏の最も素晴らしいことは、家族とすごし、湖で泳ぎ、薪で温められた伝統的なサウナを楽しみ、庭で採れたばかりの野菜やベリーをそのまま食べることです。

 

 

 

多くのフィンランドのサマーハウスのように、ハンネレが夏を過ごす木造の黄色い家は、彼女の祖父母が農家として使っていた場所です。かつては馬や牛、にわとりも飼われていました。庭と畑(今は野生の草地となっています)は、家族の食べ物の自給自足の場所でした。フィンランドの家屋らしく、白いサウナの建物もありますよ。

 

 

 

ここには水道が引かれていないので、むかしのように、すべての水が井戸から家とサウナへと運ばれます。自分が使う水を、一日中汲んだり運んだりしていると、水がいかに貴重であるかに気がつきます。都市では、蛇口をひねるだけで簡単に水を無駄にしてしまいますからね!

 

 

 

 

家の中では、ハンネレの祖父母が使っていた全ての道具が今も使われています。ここでは、新しいものを買う必要なんてないのです。古い家具や道具は、壊れてしまわない限りずっと使われ続けます。

 


ハンネレ、天国のような夏のフィンランドの生活を私たちに紹介してくれてありがとう!

 

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キッチンタオル 2,420円(税込)

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